日本技術士会
2022年03月17日
建設系CPD協議会の意義
結論から言うと「建設系CPD協議会は不要」である。
まず、CPD(Continuing Professional Development)とは何かの定義を理解する必要がある。
直訳すると「専門家の成長を継続する」とでもなると考えられる。
CPDについて、各団体では次のように定義している。
■土木学会
■土木学会
継続教育(Continuing Professional Development:CPD)とは、技術者一人ひとりが自らの意志に基づき、自らの力量(Competencies)の維持向上を図るために行うものです。
■日本技術士会
技術士CPDは、技術士個人の専門家としての業務に関して有する知識及び技術の水準を向上させ、資質の向上に資するものです。
■建設コンサルタンツ協会
しっかりとした定義は見つけられなかったが、土木学会に準じているようだ。
土木学会や日本技術士会の定義からすると、CPDは自分の意思に基づき行うものであるから、人にとやかく言われる筋合いではないと思える。
以上のことを踏まえ、CPDについて考えてみた。
まず、複数の団体にCPDを登録する者には「建設系CPD協議会」は何のメリットもないのである。
建設系CPD協議会に加盟している団体は相互にCPD認証をしているものと思っていたが、全くそうではないことが分かった。
一般社団法人建設コンサルタンツ協会に「農業農村工学会のCPD受講証明書」を出しても受け付けないのである。
建設コンサルタンツ協会に「農業農村工学会のCPD受講証明書」を提出したら、別途主催者から主催者の捺印のある証明書をもらえと言ってきた。
主催者は個々に「農業農村工学会のCPD受講証明書」を発行しているのだから、さらにこれ以外に証明書を出すとは思えない。
建設コンサルタンツ協会の基本的に姿勢は、独自にCPDの様式を出しているのだから、それに主催者から捺印をもらえと言うことらしい。
CPDの受講証明書を相互認証しないのであれば「建設系CPD協議会」に入っている必要はないと思われる。
確かに「建設系CPD協議会」の目的には、CPDの相互認証とは書いていないが、いかがだろうか。
建設系CPD協議会
■ 目的
建設系分野に係わる技術者の能力の維持・向上を支援するため、関係学会および協会間でのCPD(継続教育)の推進に係わる連絡や調整を図ることを目的としています。
私の場合、日本技術士会、農業農村工学会、建設コンサルタンツ協会の3団体にCPDを登録しているので、それぞれの特徴を簡単に書いてみた。
1.日本技術士会
・今のところ、何のメリットもないが、申請すればほぼ何でも登録可能である
・これがCPDの定義に沿ったものと思われる
2.農業農村工学会
・わりと他団体の証明書でも通るが、重みを0.5にされる場合が多い
・国営の農業土木の業務を受注するうえで必須である
・農業土木技術管理士の更新に必要
3.建設コンサルタンツ協会
・エビデンスについては非常に細かい規定がある
・RCCMの更新に必要
※以上、すべて私個人の意見である。